私とEXILEと30本の櫂

▶︎前置き


ATSUSHIさんという存在は、たー様をずっと好きでいた私にとってはあまりに大きすぎて突然勇退を突きつけられた時に裏切られたような酷い気分になってしまった。愚かですね。いや、勇退にショックを受けた人が愚かというわけじゃなくて、冷静さを失った自分が愚かだなとう意味で。

(参照:https://usagichoco.hatenablog.com/entry/2020/11/03/005655


そして、新生一発目の曲がリリースされ、LOが実施され、再開したLIVEで新生EXILEを見て、今日、二曲目「PARADOX」のMVが公開された。



LIVEに行った時は、最高に楽しかったながらも、のちのち敬篤の声はやっぱ聞けないんだなどと思った。当たり前であるが。

ATSUSHIさんの、あのドームの天井を抜け空まで届くような、天高く伸び上がる声をもうEXILEで聞けないんだと思うとそれだけで泣けそうな気分にすらなった。

ただ、新生EXILEのパフォーマンスはエンターテイナーとして完璧だった。一つの時代を終えた、まさしく新生でありながら、EXILEだった。

私は、「ATSUSHIさんのいるEXILE」ではなく、「EXILEという魂」が好きだったのだ。それでいいってことなんだ………。(ポエム)




▶︎そろそろPARADOXの話しよう



セカンドメンバーが言うように、HIROさん勇退以降EXILEはダンサブルな曲が減っていた。その側面を一身に担ったのが、EXILE THE SECONDだったように思う。


リズミカルな曲が減った事には色々な要因があるとは思うけど、一番はやっぱりEXILEというグループ自体の方向性じゃないかな。

2011年の東日本大震災を受けて「日本を元気に」という大きなテーマをずっと掲げ続けることとなったEXILEは、したがって平和的な曲が多くなった。

Rising Sun」、「AMAZING WORLD」、「愛のために for love, for a child〜」挙げ続けるとキリがないほど。世間がイメージするEXILEが「いかつい感じの」から「なんか世界平和っぽい曲の」に移行するくらい。



しかし、ATSUSHIさんの勇退を受けてその姿は完全に変わった。

ATSUSHIさんはひときわ優しく美しい音楽を作るアーティストだ。EXILEが紡ぐ祈りの音楽の大半はATSUSHIさんが担っているように感じた。(実際、EXILEの曲はATSUSHIさんが手がけているものが多かった)

ATSUSHIさんが勇退した今、EXILEが新生EXILEとして蘇るにはEXILEというグループの音楽性の向きを変えなければならない。それほどまでに、EXILE ATSUSHIという存在はEXILEの中で大きかったという事だろう。


更に、新生EXILEは音楽の柱であったATSUSHIさんの勇退により、その骨組みを実質的に将吉くんが受け継ぐこととなった。彼はLDH music & publishinの取締役でもあり、音楽作りのプロでもあるからだ。

EXILEがポップチューンを世に放ち続ける中で、EXILE THE SECONDでダンサブルな曲を作り続けていた彼が、新生EXILEに確実に新しい風を吹き込んでいる。

まるで「こうある事」が予定されていたみたいに。

美しい奇跡だね。


PARADOXというタイトルの意味は「逆説」、挑戦し続けていくというメッセージがある。メッセージ通り新しいアッパーチューンでありながら、往来のEXILEを感じることも出来る。

ダンスパート、ブリッジ、めちゃくちゃ「EXILE」である。

EXILEらしさをきっと誰よりも考え抜き、築き上げた将吉くんだからこそ作れた音楽のように思う。



MVも今までとは違う。

TAKAHIROさんこそ「不動の踊らないボーカル」として君臨しているが、彼もパフォーマンスにおいてパフォーマーの一部となり変形構成の一役をかっている。ネっさんと将吉くんも踊る。

それは今まで2人がEXILEの中で培ってきたパフォーマンスの幅でもあるし、同時にメインボーカルがダンスをする新しさも兼ね備える。


歌詞において、チュートレを引用して「Fun fun we hit the step&step&step」があるのもホントにヤバイ。しかもチュートレでは2回のstepを3回に増やしている。新生EXILEは、新たな一歩を踏み出すのだ。エモすぎるでしょ。

作詞はたー様と将吉くんの共作になっているけど、一体どちらがどこを担当しているのか聞いてみたいものですね。




▶︎おわりに


PARADOXの歌詞の中で、「テセウスstar ship」というのがある。

テセウスの船とは「ある物体において、それを構成するパーツが全て置き換えられたとき、過去のそれと現在のそれは「同じそれ」だと言えるのか否か、という問題」というパラドックス

「全て置き換えられた」ここがまさしく、今のEXILEそのものだ。オリジナルメンバーが全員いなくなった今のEXILEは、EXILEといえるのだろうか?という話だ。


もういいよね。ATSUSHIさんが勇退して、なんだかんだ泣いたりぐちぐち呟いたりオリメンがいた頃のDVDとか見てた私は、今YouTubePARADOXMV見てる。ずっと昔から言い続けてきたEXILE魂を確かに感じているから。


このパラドックスに私が出す答えは1つしかない。



あなたたち14人こそが、EXILEだ!